このレッスンでは、決まった入力を渡すとやり取りなしで結果まで進む仕組み(ワークフロー)に向く業務を選びます。
前のモジュールでは、質問のたびにやり取りしながら答えるボットを作りました。 今回はその対比から始めます。1回の入力を渡せば、人手を介さず決まった手順で結果まで進む仕組みを扱います。
候補を3つ挙げ、3条件で確認し、最も向いている1件に絞ります。
前のモジュールとの違いを確認する
前のモジュールで作ったのは、質問のたびにやり取りしながら答える「会話で答える型」でした。本モジュールで扱うのは、決まった入力を1回渡すと、やり取りなしで結果まで進む「手順で処理する型」です。
なぜ分けて考えるかというと、作り方がまったく違うからです。 会話で答える型は「何を聞かれても資料の範囲で答える」設計ですが、手順で処理する型は「決まった入力から、決まった手順で、決まった形の結果を出す」設計です。設計の出発点が違います。
| 型 | 特徴 | 本モジュールで扱うか |
|---|---|---|
| 会話で答える型 | 質問のたびにやり取りしながら答える | 扱わない(前のモジュールで学習済み) |
| 手順で処理する型 | 決まった入力を渡すと、やり取りなしで一気に結果まで進む | 本モジュールで扱う |

自分がこれから選ぶ業務が、質問と回答の往復を必要とするか、1回の入力で完結するかを、まず確認してください。往復が要るなら、前のモジュールの型に向きます。
向く業務には3つの条件がある
手順で処理する型に向く業務には、共通する3条件があります。
なぜこの3条件かというと、途中で人の判断を挟まずに最後まで進めるための条件だからです。 どれか1つでも欠けると、途中でエージェントが止まるか、誤った結果を出します。
| 条件 | 意味 |
|---|---|
| 入力の形が決まっている | 毎回、同じ種類の情報が同じ位置に含まれる |
| やり取りなしで1回で完結する | 追加の質問をしなくても、最初の入力だけで結果が出せる |
| 分岐があっても条件で書ける | 「もし◯◯なら△△」のように、分岐の基準を言葉にできる |
3つ目は誤解されやすい点です。分岐があること自体は問題ではありません。 分岐の基準が「担当者の勘」ではなく「言葉にできる条件」であれば、手順として書けます。逆に、基準を説明できない分岐は、今の段階では対象から外してください。
自分の候補について、この3条件をひとつずつ確認してみましょう。
境目の例を1つ挙げます。備品の発注申請を、金額で自動承認するか判断する業務を考えてみます。「1万円未満なら自動承認、以上なら上長へ回す」のように金額の基準が決まっていれば、判断のように見えても手順として書けます。一方「妥当な金額かを見て判断する」だと、基準が言葉になっておらず対象から外れます。
候補を3つ挙げて絞り込む
まず、自部門で繰り返し発生している業務を3つ書き出してください。 印象に残っているものだけでなく、地味でも毎回発生しているものを含めます。
3つ挙げたら、それぞれに3条件を当てはめ、○×を付けます。3つとも○が付く候補を選んでください。2つ以下しか○が付かない場合は、いまは見送るか、条件を満たす形に業務を切り分けてから戻ってください。
最初の1件に、個人の評価や人事情報を含む業務を選ばないでください。 手順が誤って結果が誤っても、実害が小さい業務から始めるのが安全です。問い合わせ対応、日報の要約、申請の一次チェックのような業務が向いています。
通し事例を確認する
本モジュールでは、**「問い合わせの振り分け」**を通し事例として使います。社内外から届く問い合わせ本文を読み、担当部署と緊急度を判定して、担当部署のチャットへ自動で振り分ける仕組みです。
この事例は3条件を満たします。問い合わせ本文という決まった形の入力があり、1件ごとに独立して完結し、「返金の要望なら経理部」のように分岐の基準を言葉にできるからです。
次のレッスン以降は、この事例を使って手順を説明します。自分が選んだ候補に置き換えて進めてください。 日報の要約や申請の一次チェックのように、入力と分岐の基準が同じ形になる業務であれば、同じ手順がそのまま使えます。