このレッスンでは、常時稼働するエージェントがチャット型のエージェントとどう違うかを理解し、自部門で任せたい業務を1つに絞ります。
常時稼働エージェントとは、起動したままになっており、依頼が来るたびに自動で応答する仕組みです。 チャットで都度話しかけて答えを待つ使い方とは、動く仕組みそのものが違います。
なぜ違いを先に理解するか。違いが分からないまま任せると、向かない業務まで任せてしまうからです。 常時稼働は便利な一方、常に動いている分だけ、止め方や任せる範囲を先に決めておく必要があります。
自部門で常時稼働させたい業務の候補を3つ挙げ、最も向いている1件に絞ります。
チャット型と常時稼働型は、動く仕組みが違う
チャット型エージェントは、人が話しかけた瞬間だけ動きます。 質問を送り、答えが返ってきたら、そこで処理が終わります。次に動くのは、また人が話しかけたときです。
常時稼働エージェントは、話しかけられていない間も起動したままです。 メールやチャットの受信、決まった時刻の到来といった「きっかけ」を常に待ち受け、きっかけが来るたびに自分で処理を始めます。
| 型 | 動くきっかけ | 動いていない時間 |
|---|---|---|
| チャット型 | 人が話しかけた瞬間 | 話しかけていない間は止まっている |
| 常時稼働型 | 受信・時刻・条件の成立 | 無い(起動したまま待ち受ける) |

この違いが、任せられる業務の範囲を変えます。 チャット型は「聞かれたときだけ答える」業務に向き、常時稼働型は「来たら必ず拾う」業務に向きます。
自分がこれまで使ってきたのがチャット型であれば、常時稼働型は初めて扱う仕組みだと理解した上で、次の節に進んでください。
常時稼働が向く業務には、共通する形がある
向く業務は3つの形に分かれます。 どれも「人が見ていなくても、決まった対応ができる」という共通点があります。
| 業務の性質 | 例 |
|---|---|
| 受信し続けて一次対応する | 問い合わせメールを受け付け、定型の一次回答を返す |
| 定型的な判断を繰り返す | 在庫が閾値を下回ったら、発注担当へ知らせる |
| 状況の変化を検知して知らせる | システムの異常な兆候を検知し、担当チャンネルへ知らせる |
向かない業務にも、共通する形があります。 「一度きりで終わる」か「間違えたときの影響が大きい」かのどちらかです。
| 業務の性質 | 例 |
|---|---|
| 一回きりの作業 | 今月の決算資料を1本作る |
実装例の全体構成を知る
ここからは、実際に何を組み合わせて常時稼働させるかを見ます。本モジュールでは、OpenClawというオープンソースの自己ホスト型エージェント基盤を使います。 以降は製品名ではなく、次の概念語で説明します。
| 概念 | 役割 | 本モジュールでの呼び方 |
|---|---|---|
| 依頼を待ち続ける常駐プロセス | エージェント本体。受信のたびに処理する | Gateway |
| 常駐プロセスを確認・操作する画面 | 稼働状況の確認、設定の変更 | ダッシュボード |
| 常駐プロセスをコマンドで操作する道具 | 起動・停止・状態確認をコマンドで行う | CLI |
| チャットアプリとの入出力窓口 | 依頼の入り口と、応答の出口 | チャネル |
ダッシュボード・CLI・チャネルは、いずれもこのGatewayとやり取りするための別々の窓口だと理解してください。
