このレッスンでは、同じ質問を文脈あり・なしで投げて、答えの違いを自分で確認します。
AIに相談しても一般論しか返ってこない、と感じたことがあるはずです。原因はモデルの性能ではなく、渡している情報の量です。まずそれを体感します。
答えの質は渡した文脈で決まる
AIの答えの質は、渡せる文脈の質でほぼ決まります。
モデルはあなたの会社を知らないからです。事業の内容も、過去の経緯も、いま抱えている制約も知りません。知らない相手に相談すれば、返ってくるのは一般論になります。
同じ質問でも、渡す情報でこう変わります。
| 渡した情報 | 返ってくる答え |
|---|---|
| 「採用をどう進めるべきか」 | 求人媒体の選び方、面接の設計、一般的な採用手法 |
| 上記+事業内容・人員構成・過去に採用で失敗した経緯・予算 | 自社の状況で取れる選択肢と、過去の失敗を踏まえた注意点 |
後者は「賢い答え」ではなく、判断材料が揃っている答えです。
つまり、改善すべきはモデルではなく、渡す情報の側にあります。
文脈は4種類ある
渡すべき文脈は、事実・経緯・理由・制約の4種類です。
このうち抜けやすいのが3つ目です。何を決めたかは共有されても、なぜそう決めたかは記録されないまま消えます。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 事実 | 従業員数、事業内容、主要な取引先 |
| 経緯 | 過去に何を試して、どうなったか |
| 理由 | なぜその方針にしたのか |
| 制約 | 予算、人員、契約、時間 |
理由が残っていれば、状況が変わったときに判断を見直せます。「前はこう決めたが、その理由はもう成り立たない」と言えるからです。
この4分類は、次のレッスン以降で何を記録するかの基準になります。
実際に投げて比べる
同じ質問を2回投げて、答えを比べてください。
読んで納得するのと、自分の会社の話で体感するのとでは、以降の章に取り組む動機が変わるからです。
手順です。
- いま実際に迷っている経営判断を1つ選ぶ
- その質問だけをAIへ投げる
- 次に、上の4種類の文脈を書き添えて、同じ質問を投げる
- 2つの答えを並べて読む
3で書いた文章は保存しておいてください。 次のレッスンで、これが記録の出発点になります。
2回目の答えのほうが有用なら、その差は毎回あなたが説明を省いている分です。
毎回説明する状態をやめる
ここで問題になるのは、毎回同じ説明を書いていることです。
チャットは会話が終われば消えます。次に相談するとき、また最初から事業の説明を書くことになります。
だから必要なのは、文脈を貯めておく場所です。一度書けば、次からはそれを渡すだけで済みます。
このコースはその場所を作ります。次のレッスンで、何を入れて何を入れないかを決めます。