このレッスンでは、コーディングエージェントに任せる社内ツールを1つ選び、入力・処理・出力の3点で書き切ります。
ツールの名前はまだ出てきません。 先に、何を作るかを決めます。対象が曖昧なまま次のレッスンへ進むと、指示のたびに作るものが変わり、手戻りが増えます。
前のモジュールで、コーディングエージェントとやり取りする基本操作は経験済みです。ここからは、その操作を自分の業務に向けます。
社内ツールを、対象の大きさで見分ける
「社内ツール」とは、使う人を自分たちに限った小さなアプリケーションを指します。 社外へ公開する製品や、全社で使う基幹システムとは分けて考えます。
例えば、備品の貸出を紙の台帳で管理しているなら、貸出と返却を記録する画面がそれにあたります。会議室の予約や、当番表の作成も同じ大きさの候補です。
対象が小さいほど、最初の1本を早く動かせます。 大きな業務をいきなり選ぶと、次のレッスンで機能を1つずつ頼む段階が長くなり、途中で止まりやすくなります。
自分の業務の中から、小さくて関係者が自分の周りに限られるものを思い浮かべてください。
候補が浮かばないときは、型で探す
思い浮かばないときは、業務の型から逆算してください。 多くの社内ツールは、次の4つの型のどれかに当てはまります。
| 型 | やっていること | 例 |
|---|---|---|
| 申請受付 | 決まった項目を受け取り、一覧に残す | 備品の貸出申請、休暇の届出 |
| 当番表 | 人と日付を組み合わせて割り当てる | 清掃当番、電話当番の表 |
| 台帳 | 増減する数量や状態を記録する | 在庫の数、鍵の貸出状況 |
| チェックリスト | 決まった手順の完了・未完了を記録する | 開店前点検、月次締め作業の確認 |
紙やExcelで回している業務は、この4型のどれかに近い形をしていることがほとんどです。まず自分の業務がどれに近いかを当ててから、次の条件で絞り込みます。
向く条件は3つある
すべての業務が、コーディングエージェントに作らせるのに向くわけではありません。次の3条件で判定してください。
| 条件 | 確認すること |
|---|---|
| 関係者が少ない | 使う人が自分の部署か、数名のチームに収まる |
| 入力の形が決まっている | 毎回同じ項目を、同じ形式で入力している |
| 止まっても業務全体は止まらない | 動かなくても、元の手作業に戻せる |
3つとも満たす業務が、最初の1件に向いています。1つでも欠けるなら、今回は見送ってください。
関係者が多いと、仕様の合意に時間がかかります。入力の形が毎回違うと、指示が複雑になります。止めると業務が止まる場合は、動かなくなったときの影響が大きすぎます。
候補を3つ挙げて、1件に絞る
候補は3つ挙げてください。 1つだけで考えると、向かない条件を見落としたまま次のレッスンへ進んでしまいます。
| 候補 | 関係者の人数 | 入力の形は決まっているか | 止まっても業務は止まらないか |
|---|---|---|---|
| 候補1 【 】 | 【 】 | 【 】 | 【 】 |
| 候補2 【 】 | 【 】 | 【 】 | 【 】 |
| 候補3 【 】 | 【 】 | 【 】 | 【 】 |
3条件をすべて満たす候補が無ければ、業務の範囲を狭めて考え直してください。「経費精算全体」ではなく「交通費の申請だけ」のように範囲を小さくすると、条件を満たしやすくなります。
選んだ1件を、入力・処理・出力で書き切る
対象を決めたら、次の3点を1文ずつで書きます。 これが、次のレッスンでコーディングエージェントに渡す最初の指示の材料になります。
| 項目 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 入力 | 誰が、何を入力するか | 担当者が、貸出日と備品名を入力する |
| 処理 | 入力をどう扱うか | 貸出中の一覧に、入力した内容を1行足す |
| 出力 | 何が、誰に見える状態になるか | 貸出中の一覧が、担当者全員に見える |
3点とも1文で書けないなら、対象がまだ大きすぎます。 「〜と〜と〜をする」のように「と」でつながる文になったら、そのうちの1つに絞り直してください。
書けたら、声に出して読んでみてください。他部署の人に説明しても伝わる文になっていれば、次のレッスンに進めます。
やってはいけないこと
この段階で、実在の個人情報や取引先の実名を対象に選ばないでください。 次のレッスンで試しにデータを入力する際、実在する氏名や金額をそのまま使うと、コーディングエージェントとのやり取りに実データが残ります。仮の名前と仮の数字で試せる業務を選んでください。
