このレッスンでは、AIエージェントに同じ指示を何度も書き直している作業に気づき、それを手順書にする価値があるかを判断します。
手順書とは、繰り返す作業のやり方を書き残し、呼び出すだけで同じ手順を再現できるようにしたものです。 指示を毎回書き直す代わりに、書いたものを呼び出します。
手順書にする価値がある自分の定型業務を1つ選びます。
同じ指示を、毎回書き直していないか思い出す
AIエージェントへの指示は、気づかないうちに同じ内容を毎回書き直していることがあります。
理由は単純です。 前回どう頼んだかを覚えていないので、頼むたびに一から書きます。頼む側も、書いた指示を保存していなければ同じことになります。
たとえば週報の下書きを頼むとき、「先週のカレンダーと進捗メモを見て、部署のフォーマットに沿ってまとめて」と、似た文面を毎回打ち込んでいないでしょうか。
書き直しているのは指示の文面ではなく、実は毎回同じ手順です。 手順が同じなら、書く作業自体を減らせます。
直近1ヶ月でAIエージェントに何度も同じ内容を頼んだ作業を、1つ思い出してください。
3回同じ手順を頼んだら、手順書にする価値がある
判断の基準は1つです。 同じ手順を3回以上頼んだかどうかです。
理由は費用対効果にあります。手順書を書く手間は、1回分の指示を書く手間より大きくなります。1〜2回で終わる作業なら、手順書を作る前にその作業自体が終わってしまいます。
| 頼んだ回数 | 手順書にする価値 |
|---|---|
| 1〜2回 | 無い。書く手間の方が大きい |
| 3回以上 | ある。以降の指示を書く手間がまとめて減る |
| 今後も定期的に発生する見込み | ある。1回目から手順書にしてよい |
3回を境に、書かない手間より書く手間の方が小さくなります。 この回数は目安であって、月次で必ず発生する作業のように、1回目から繰り返しが確定している場合は先に手順書にしてかまいません。

思い出した作業について、これまでに何回頼んだか、今後も繰り返しそうかを確認してください。
毎回渡る前提と、呼び出したときだけ渡る手順は違う
手順書と混同しやすいものに、毎回自動でAIエージェントに渡っている前提情報があります。
違いは「いつ読み込まれるか」です。 前提情報はセッションを始めるたびに自動で読み込まれます。手順書は、名前を呼んだときや、内容が今の依頼に合っていると判断されたときだけ読み込まれます。
| 毎回渡る前提情報 | 呼び出したときだけ渡る手順書 | |
|---|---|---|
| 読み込まれる時点 | セッションの開始時、常に | 呼び出されたとき、または内容が合致したとき |
| 向く内容 | いつも守ってほしいルール、表記の決まり | 特定の作業のときだけ必要な手順 |
| 増やしすぎた場合 | 常に読み込まれる量が増え、他の指示への追従が下がる | 増えても、使わない手順書の分だけなら影響が小さい |
いつも守ってほしいことを手順書に書くと、その作業を頼むときしか反映されません。逆に、特定の作業のときだけ必要な手順を前提情報に書くと、関係ない作業のときにも毎回読み込まれ、無駄になります。
「いつも」か「この作業のときだけ」かで置き場所を分けてください。 自分が選んだ業務が、いつも必要な話ではなく、特定の作業のときだけ必要な手順であることを確認してください。