このレッスンでは、エージェントに任せられる仕事の輪郭をつかみます。
環境構築を終えた直後が、最も止まりやすい場所です。目の前で動くものがあるのに、何を頼めばよいか出てこない。ここを越えられるかどうかで、その後が決まります。
覚えることは2つだけです。 任せられる仕事の見分け方と、仕事の5分類。
任せられるのは、口頭で手順を説明できる仕事
判断基準は1つです。その仕事を、新しく入った人に口頭で説明できるなら任せられます。
エージェントがやっているのは、説明された手順を実行することだからです。説明できない仕事には手順がありません。手順が無いものは、誰に頼んでも出てきません。
| 仕事 | 説明できるか | 任せられるか |
|---|---|---|
| 請求書PDFから金額を抜いて一覧にする | できる | ○ |
| 議事録を決定事項と宿題に分ける | できる | ○ |
| 3社の見積を比較表にする | できる | ○ |
| この事業を続けるか決める | できない | × |
| 取引先との関係を踏まえて温度感を測る | できない | × |
下2つは、判断そのものです。判断の材料を揃えるところまでは任せられます。「3社の見積を比較表にする」までがエージェント、「どこに頼むか決める」が自分、という切り分けになります。
いま抱えている仕事を1つ思い浮かべて、口頭で説明できるか試してください。説明が3行で済むなら、そのまま指示文になります。
任せられる仕事は5つに分かれる
任せられる仕事は、探す・移す・数える・作る・調べるの5つに分かれます。
分類を持っていると、目の前の作業が「これは移すだけだ」と見えるようになるからです。分類が無いと、毎回ゼロから「頼めるだろうか」を考えることになります。

| 分類 | やっていること | 例 |
|---|---|---|
| 探す | 大量のファイルから該当を見つける | 去年の契約書のうち自動更新条項があるもの |
| 移す | ある形式から別の形式へ写す | 手書きメモの写真 → 議事録の下書き |
| 数える | 数字を集めて集計する | 12ヶ月ぶんのCSVから費目別の合計 |
| 作る | 型に沿って文書を生成する |
任せてはいけない仕事がある
見分け方とは別に、任せてはいけない仕事があります。
エージェントは指示された範囲を実行するだけで、その結果が外に出たときの影響を判断しないからです。判断するのは指示した側になります。
| 任せてはいけないもの | 理由 |
|---|---|
| 人事評価・処遇の検討 | 記録に残り、AIに読める場所へ入る |
| 未公開の財務情報の加工 | 外部サービスへ送信される経路が生まれる |
| 対外文書の最終確定 | 実在しない数字や事実が混ざることがある |
| 係争・法的判断に関わる整理 | 誤りが直接不利益になる |
下2つは「下書きまで」なら任せられます。 確定する工程を自分に残せば使えます。
第1章の知識層で決めた「入れない情報」の線引きが、そのままここでも当てはまります。線引きをまだ決めていない場合は、先に決めてください。