このレッスンでは、共有フォルダが乱れる典型的な原因を整理し、次のレッスン以降でずっと使う対象フォルダを1つ選びます。同時に、命名規則とフォルダ構成の下書きも作ります。
エージェントに任せるのは「ルールに沿って動かす」部分です。ルールそのものは、この工程で人が決めます。 ルールが無いままエージェントに一括処理を頼むと、判断のたびに基準が変わり、扱いにくいフォルダになります。
対象フォルダを1つ選び、命名規則・フォルダ構成の下書きを作ります。
共有フォルダが乱れる原因は3つに絞れる
共有フォルダの乱れは、突き詰めると3つの原因に分かれます。原因が分かれば、直す順番も決まります。
| 原因 | 具体的な状態 |
|---|---|
| 命名がバラバラ | 同じ書類でも人によって「見積書_A社」「A社見積」「見積(A社)」のように付け方が違う |
| 置き場所が人によって違う | 同じ種類の書類が、フォルダ内のあちこちに分散している |
| 旧版が混在する | 「最終版」「最終版2」「最終版_本当の最終」のようなファイルが残り続ける |
原因が違えば、直し方も違います。 命名のバラバラは命名規則で、置き場所の違いはフォルダ構成で、旧版の混在は旧版の扱いを決めるルールで、それぞれ対応します。
3つの原因は、業務時間にそのまま影響します。探す時間が延び、間違った旧版を開いてしまう失敗が起きます。 どれも、原因を放置したまま件数だけが増えていく点が共通しています。
自分が対象にしたいフォルダを思い浮かべ、この3つのうちどれが当てはまるかを確認してください。複数当てはまっていても構いません。次の節で、対象フォルダを1つに絞ります。

対象フォルダを1つに絞る
最初に触るフォルダは、1つだけに絞ってください。 複数のフォルダを同時に扱うと、命名規則がフォルダごとにぶれてしまい、後で統一し直す手間が増えます。
絞り込みの基準は3つです。
| 基準 | 確認すること |
|---|---|
| 自分がよく触る | 日常的に開くフォルダで、乱れによる不便を実感している |
| 影響範囲が分かる | 誰が同じフォルダを使っているか、名前を挙げられる |
| 進行中の重要書類が少ない | 現在進行形の重要案件のファイルが少なく、試しやすい |
3つとも満たすフォルダがあれば、それを選んでください。進行中の重要な契約書や、経営に関わる数字が入ったフォルダを最初の対象にしないでください。 手順に慣れないうちは、影響が小さい場所で試すほうが安全です。
候補が複数あるときは、書類の点数がもっとも多いフォルダから外してください。点数が多いほど、最初の一括処理でのミスの影響が広がります。 慣れてから広い範囲に手を伸ばすほうが、結果として早く終わります。
命名規則を先に決める
命名規則とは、ファイル名を構成する部品を先に決めることです。 部品が決まっていないと、エージェントに一括変更を頼んだときに、何を基準にそろえればよいか判断できません。
部品の例です。
| 部品 | 例 |
|---|---|
| 日付 | 20260915、2026-09 |
| 部門・担当 | 経理、総務、営業1課 |
| 種類 | 見積書、議事録、報告書 |
| 状態 | 下書き、確定、旧版 |

部品の順番も決めておいてください。 「日付_種類_部門」のように順番が決まっていれば、フォルダ内で日付順や種類順に自然と並びます。順番を決めずに部品だけそろえても、並び替えの効果は得られません。
部品は多くても4つまでにしてください。部品が増えるほど、ファイル名を付けるときに迷う場面が増え、結局は守られなくなります。 迷わず埋められる数に絞ることが、規則を長く使い続ける条件です。
対象フォルダの中身を10件ほど眺め、共通して使える部品を3〜4個選んでください。
フォルダ構成も同時に決める
命名規則と同時に、フォルダの階層も決めます。 命名だけそろえても、置き場所がバラバラのままでは探しにくさが残るからです。
階層は深くしすぎないことが目安です。3階層を超えると、人がたどり着くまでに迷い始めます。 「部門・年度・種類」のように、上から順に絞り込める3階層程度に収めてください。
例です。
| 階層 | 例 |
|---|---|
| 1階層目 | 経理部 |
| 2階層目 | 2026年度 |
| 3階層目 | 見積書 |
いま対象フォルダにある実際のサブフォルダ名を書き出し、統合できるものが無いかを確認してください。同じ意味のフォルダが名前違いで複数あるなら、統合の候補です。