このレッスンでは、エージェントにブラウザを任せられる3つの業務を知り、自分がこのモジュールを通して動かす1件を選びます。
これまでのモジュールで扱ってきたのは、エージェントが直接触れる対象でした。 ファイルやコードは、エージェントがその場で開いて書き換えられます。一方でWebサイトや社内システムの多くは、そうした直接の入口を持ちません。人がブラウザを開き、画面を見て、クリックし、入力して初めて進む作業です。
3つの業務それぞれの向く例・向かない例を確認し、自分の業務から最初に動かす対象を1つ選びます。
ブラウザ操作は、画面を見て動く仕事だ
エージェントにブラウザを任せるとは、人と同じように画面を見て、クリックし、入力する動作をエージェントに代わってもらうことです。 これを本モジュールでは「ブラウザ拡張」と呼びます。Webサイトや社内システムに専用の連携口が無くても、人が普段使っている画面をそのまま使える点が特徴です。
なぜこの方式が要るかというと、多くのWebサイトや社内システムには、外部から直接データをやり取りする仕組みが無いからです。 専用の連携口があれば、エージェントはそこから直接データを読み書きできます。しかし社内の古い業務システムや、取引先の公開ページの大半にはそれがありません。人が画面を操作して初めて完了する作業が、いまも大量に残っています。
たとえば、次のような仕事です。
| 仕事の例 | これまでの方法 |
|---|---|
| 競合3社の価格ページを毎週確認する | 人が3つのタブを開いて見比べる |
| 社内の勤怠システムへ出張申請を入力する | 人が画面を開いて1項目ずつ入力する |
| 取引先の問い合わせフォームに定型の依頼を送る | 人がフォームを開いて毎回同じ内容を打つ |
ブラウザ拡張は、この「人が画面を操作する」部分をエージェントに代わってもらう仕組みです。 自分がいつも開いているタブの作業を思い浮かべてみてください。そこに向く業務が、このモジュールの対象です。
3つの業務を知る
このモジュールで扱う業務は3つです。 公開情報の収集、社内システムへの定型入力、フォームの送信代行です。
| 業務 | やること | 到達点の例 |
|---|---|---|
| 公開情報の収集 | 複数のWebページを巡回し、必要な項目だけを取り出す | 価格・条件・更新日を1つの一覧にまとめる |
| 社内システムへの定型入力 | 決まった形式のデータを、決まった画面へ入力する | 出張申請や経費の入力を1件分終える |
| フォームの送信代行 | 定型の依頼内容を、相手のフォームへ送信する | 同じ文面の問い合わせを複数件送る |
3つに共通するのは、手順が決まっていることです。 何を見て、何を入力し、何を送るかが事前に決まっている作業ほど、ブラウザ拡張に向きます。逆に、その場の判断で内容を変える作業は向きません。
向く例と向かない例を仕分ける
同じ「情報収集」でも、向く例と向かない例があります。 見分ける基準は、手順が決まっているかどうかです。
| 業務 | 向く例 | 向かない例 |
|---|---|---|
| 公開情報の収集 | 複数サイトの価格を一覧にする | 業界動向を読んで自社への影響を考察する |
| 定型入力 | 出張の日程と金額を申請フォームへ転記する | 稟議の文面を状況に応じて書き分ける |
| フォーム送信代行 | 同じ資料請求フォームを10社へ送る | 取引先との交渉メールを送る |
向かない例に共通するのは、判断や交渉が本体になっていることです。 「何を書くか」自体を毎回考える作業や、相手の反応で進め方が変わる作業は、手順として渡せません。任せられるのは、判断がすでに終わっていて、あとは画面を操作するだけの部分です。
自分の業務を思い浮かべ、3つの業務のどれかに当てはまるものが無いか確認してください。当てはまらないなら、いまはこのモジュールの対象外です。
最初の1件を選ぶ
候補が複数あるときは、次の3条件で絞り込みます。
| 条件 | 確認すること |
|---|---|
| 手順が固定 | 毎回同じ順番で進み、途中の判断が要らない |
| 繰り返しがある | 週1回以上など、まとまった頻度で発生する |
| 間違えた時の影響が小さい | 誤って進めても、業務上の実害が小さい |
3つとも満たす候補を選んでください。最初の1件に、送金・契約・個人情報の登録を含む業務を選ばないでください。 影響が大きい業務は、次のレッスン以降で扱う確認の手順を身につけてから検討してください。